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【レポート】バリアフリーセミナー「企業における障害者施策のポイント ― 障害者差別解消法・障害者雇用促進法への対応と実例」を開催しました 

2025/11/9

レポート

2025年9月16日、麻布台ヒルズ「ヒルズハウス」(東京都港区)にて、当社主催のセミナー「企業における障害者施策のポイント ― 障害者差別解消法・障害者雇用促進法への対応と実例」を開催しました。

障害者差別解消法や障害者雇用促進法は、施行から数年が経過し認知は広がっているものの、実際の施策や運用にはまだ課題が多く残されています。今回のセミナーでは、障害者法務に詳しい弁護士による法令の基本的な考え方の解説に加え、当社がダイバーシティ施策を支援しているNTTドコモ様から、現場での具体的な取り組み事例をご紹介いただきました。企業の人事部門を中心に多数の方々にご来場いただき、法務・実践・当事者それぞれの視点から、障害者施策のあり方を考える機会となりました。
セミナー後には懇親会も行い、参加者同士や登壇者との活発な意見交換を通じて、より実践的な学びを深める時間となりました。

■ セミナー内容

1. 趣旨説明
(モデレーター:ファシリティデザインラボ/BFCフェロー 似内志朗)

冒頭では、バリアフリーの考え方の変遷について触れました。
障害者や高齢者への配慮を中心とした「バリアフリー1.0」から、すべての人にとって使いやすいユニバーサルデザイン「バリアフリー2.0」、そして多様な個性を尊重する「バリアフリー3.0(デザイン・フォー・オール)」へと進化している流れを紹介しました。

2. バリアフリー施策における日本の課題
(バリアフリーカンパニー代表取締役 中澤 信)

車椅子ユーザーとして生活・仕事をしてきた中澤から、当事者の視点で日本のバリアフリー施策における課題を共有しました。
海外と比べ、日本では障害者差別解消法が理念的な枠にとどまり、民間企業での義務化や社会全体への浸透が十分でないこと、また、障害のある方の能力を見るのではなく、「できないこと」に注目しがちな社会構造についても問題提起がありました。

3. 企業における障害者雇用促進法・障害者差別解消法の留意点
(弁護士/BFCフェロー 関哉 直人)

日本の障害者関係法の第一人者である関哉弁護士から、両法の実務上のポイントについて、事例を交えてわかりやすく解説いただきました。

主なポイントは以下のとおりです。

4. NTTドコモの取り組み事例「ドコモ・ハーティスタイル」
(NTTドコモ 福田 幸子 課長)

NTTドコモ様は、「ドコモ・ハーティスタイル」として、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが使いやすい製品・サービスを目指す取り組みを継続的に進めています。こうした活動は早くから始まり、現在では事業の幅広い領域へと展開されています。今回のセミナーでは、具体的な取り組み例をいくつかご紹介いただきました。

5. 質疑応答・意見交換

登壇者に加え、小林博之氏(株式会社ソーシャルキャピタルマネジメント/BFCフェロー)、森淳一氏(一般社団法人ETA・AAL推進協議会/BFCフェロー)も加わり、質疑応答と意見交換を行いました。

参加者からは、「障害特性をオープンにしたくない従業員への合理的配慮」や「急な変更への対応が難しい従業員への支援」など、現場で直面する課題に関する質問が寄せられました。議論の中では、ご本人の状況や“困りごと”に丁寧に向き合い、建設的な対話を継続することの重要性が改めて共有されました。

また、障害者雇用を「不足を補う視点」だけで捉えるのではなく、記憶力など個々の特性や強みを活かせる働き方や職場環境を考えることが、組織全体のメリットにもつながるという意見も交わされました。

本セミナーは、法令の解説に加え、当事者の体験、企業の実践例、専門家の視点が交わる、多角的な学びの場となりました。終了後の懇親では、参加者・登壇者間で活発な意見交換が続き、企業における障害者施策をさらに進めていくための意欲が感じられる時間となりました。

バリアフリーカンパニーは、今後もセミナーやコンサルティングを通じて、企業の課題解決と、誰もが活躍できるインクルーシブな社会づくりに取り組んでまいります。