待望の「障害者差別解消法」が国会で成立
2013年6月19日に開かれた参議院本会議で「障害者差別解消法」が全会一致で成立しました。
この法律は日本版ADA(障害をもつアメリカ人法)と言われているもので、日本にとっては2006年にできた国連の「障害者権利条約」への調印、そして批准への道筋をつける重要な出来事と言えるものです。(アメリカでは1990年にできたADAから遅れること23年!)
世界の国々(先進国は勿論)では、「障害者差別禁止法」は常識なのですが、なんと、日本ではまだできていなかったのです。
まだまだ道のりは長いとも言えますが、これで「障害者の権利」が法的な根拠を明確に持ちながら主張できるようになります。
行政だけでなく、企業(中小も含む)も計画を立ててこの法律を守れるように改善することが求められます。
障害者差別解消法とは?
平成28年4月1日より施行される「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)とは、社会から障害を理由とする差別をなくし、障害のある人もない人も分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し合いながら共に生きる社会をつくることを目指して制定された法律です。
本法は、国の行政機関や地方公共団体、学校、民間企業、事業者等、あらゆる機関・事業者・団体が対象になります。
対象者は、障害のある方々に対して「必要かつ合理的な配慮」をするように努力することが求められ、行政機関については“必ず”対応しなければなりません。
万が一、「必要かつ合理的な配慮」を取らず、「不当な差別的取扱い」を行った場合は、監督省庁から指導・戒告を受け、さらに虚偽の報告をした場合は20万以下の罰金が課せられます。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(内閣府)→
事業者に求められる対応とは?
現状、民間事業者については「必要かつ合理的な配慮」を取ることは“努力義務”となっています。しかし、この法律では、同一の民間事業者によって繰り返し障害を理由とする差別が行われ、自主的な改善が期待できない場合などには、その民間事業者の事業を担当する大臣が、民間事業者に対し、報告を求めることや、助言・指導、勧告を行えるとしています。
その意味で本法により行政機関の監視力が増強され、「不当な差別的取扱い」の事例を汲み取る窓口が増えることで、適切な対応を怠っている事業者が、お客様からのクレームや損害賠償を請求されるケースが、従来よりも増加することが予想されます。
また、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が普及した今日では、ひとつのクレームが一晩で拡散し、企業活動に深刻な営業を及ぼすことも少なくありません。
したがって、事業者は真摯かつ適切に「障害者差別解消法」に備える必要があります。
では、事業者はどのような準備・対応を行えば良いのでしょうか。
まず重要なことは、障害を持つ方々が日常生活や社会生活を営む中で、どのようなことが実際に不便・不自由と感じているのかを、事業者自身が理解すること。
そして、不便さ・不自由さの原因となる障壁(設備や物・制度・慣行・偏見など)を把握することによって、初めて適切な対応をとることが可能になるのです。
さまざまな障壁を取り除くことができれば、障害を持つ方々を含め、今までとは異なるお客様の層を新たに獲得することも可能になります。その意味でも、「障害者差別解消法」に備えることは、単に顧客満足度を高める機会というだけではなく、新たなビジネスマーケットの創生、そして収益向上に結びつく千載一遇のチャンスともいえるでしょう。
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